奥平聡
現在美術家・パフォーマー
2015年にイスラエルのコンサルティング会社を退職し、作家活動に専念。 ぬいぐるみや自らの身体を用いて、作家により解釈・再構成される「世界」を象徴的に表現する。
ぬいぐるみ、両親、大人たち、アニメキャラクター、自動車、闇、友人、ヘリコプター、姉妹、犬、鏡…さまざまな存在に囲まれながらも、彼らの目線や声と自らの意識が区別されていなかったころの感覚を今も思い出します。それはストレスや不安が実体となって襲い掛かる悪夢であると同時に、背を向けてしまえば呪縛から逃れられるような素朴な世界でもありました。 大人になったいま、かつて「彼ら」の声だったものは「自分自身」の声として現在の思考や行動を規定します。その声に苦しめられるとき、僕はこの場所を必要とし、何度もここに戻ってきます。幾度となく還ってくるその場所はやはり、救いのようでも、呪いのようでもあるのです。